平成27年7月場所 白鵬が35度目の優勝、照ノ富士は11勝止まりも来場所は東の正大関へ
もう場所後の更新で定着しつつあります……。
今場所は中盤こそ混戦でしたが、終盤まで優勝を争ったのは両横綱と、番付の違いを見せつけました。中盤の土俵を沸かせた栃煌山は終盤に失速。しかし、関脇で両横綱を破っての10勝は来場所以降の大関取りの足固めになるでしょう。
新大関の照ノ富士は、今場所下位への取りこぼしはなかったが、上位戦で苦戦し、対横綱・大関戦は1勝4敗(総合成績は11勝4敗)と威厳を示された形となりました。一方、東の正大関だった稀勢の里は横綱・鶴竜を圧倒したものの、やはり取りこぼしが多く(特に、碧山、豪栄道戦は詰めの甘さによる敗北)、10勝5敗の成績で、来場所の東の正大関の地位を新大関に明け渡すことになってしまいました。また、照ノ富士との直接対決で負けた唯一の大関だったのも響きました。このままで終わってほしくない力士なので、毎場所ではあるが、やはり奮起してもらいたいです。
平幕では、嘉風が12勝、大砂嵐が11勝をあげ、上位返り咲きが濃厚。両力士とも癖の強い力士なので、来場所の上位を引っ掻き回して、場所を盛り上げてもらいたいですね。でも、とりあえず大砂嵐は怪我を悪化させないでほしいです。
最後になりましたが、旭天鵬が今場所限りで引退することに。旭天鵬に引導を渡したのは、幕内で旭天鵬の次に年長である安美錦でした。安美錦もこの一番は取りたくなかったでしょうが、勝負に徹して寄り切りました。旭天鵬はこれからは大島親方として、後進の指導に回ります。土俵人生が長かった分、弟子に伝えられることは多いと思います。よい親方になりそうですね。
最後に、恒例の当たらない番付予想を(笑)
東 | 予想番付 | 西 |
白鵬 | 横綱 | 鶴竜 |
日馬富士 | 横綱 | |
照ノ富士 | 大関 | 稀勢の里 |
豪栄道 | 大関 | 琴奨菊 |
栃煌山 | 関脇 | 妙義龍 |
栃ノ心 | 小結 | 隠岐の海 |
嘉風 | 前頭筆頭 | 碧山 |
大砂嵐 | 前頭二枚目 | 佐田の富士 |
玉鷲 | 前頭三枚目 | 佐田の海 |
髙安 | 前頭四枚目 | 遠藤 |
逸ノ城 | 前頭五枚目 | 魁聖 |
宝富士 | 前頭六枚目 | 徳勝龍 |
安美錦 | 前頭七枚目 | 阿夢露 |
豊ノ島 | 前頭八枚目 | 豪風 |
臥牙丸 | 前頭九枚目 | 鏡桜 |
琴勇輝 | 前頭十枚目 | 旭秀鵬 |
千代大龍 | 前頭十一枚目 | 誉富士 |
勢 | 前頭十二枚目 | 千代鳳 |
大栄翔 | 前頭十三枚目 | 時天空 |
蒼国来 | 前頭十四枚目 | 朝赤龍 |
北太樹 | 前頭十五枚目 | 富士東 |
英乃海 | 前頭十六枚目 |
ではでは。
平成27年5月場所 渾沌とした優勝争い、制したのは関脇・照ノ富士!
久しぶりの更新。もう夏場所が終わって一週間が経ちましたね。
今年の夏場所は見どころの多い場所になりました。
初日に国技館を沸かせたのは逸ノ城でした。白鵬に右四つ左上手を取られ不利な体勢になった瞬間、右の差し手を抜き、その右で小手にふっての突き落とし。この一番で、今場所の雰囲気が変わったと重います。
また、序盤上位をかき乱したのは佐田の海でした。初日に照ノ富士、4日目に日馬富士を破る殊勲の星。優勝争いがさらに渾沌としていきます。
中日には白鵬が不戦勝という珍しいことがありました。相手は大砂嵐と好取組だったので、見れないのが残念でした。大砂嵐は怪我をしっかり治してまた上位で暴れて欲しいですね。
11日目には今場所の最大のライバルになると思われていた照ノ富士を下し、2日目からの10連勝。このまま優勝かと思われたが、12日目で豪栄道の逆転の首投げを食い2敗。この一番で調子が狂ったのか、稀勢の里、日馬富士にも敗れ11勝4敗。一方の照ノ富士は12日目から連勝を続け、兄弟子の援護射撃もあり12勝3敗で初優勝。来場所の大関昇進も掴みました。
照ノ富士は大関昇進の口上で「更に上を目指して」と宣言しました。この勢いと年齢を見れば、横綱昇進は時間の問題かもしれません。若い力の台頭は、現在の勢力図を大きく変えていくでしょう。これからが楽しみです。
最後に、来場所の番付予想をー。
東 | 予想番付 | 西 |
白鵬 | 横綱 | 日馬富士 |
鶴竜 | 横綱 | |
稀勢の里 | 大関 | 豪栄道 |
照ノ富士 | 大関 | 琴奨菊 |
栃煌山 | 関脇 | 逸ノ城 |
宝富士 | 小結 | 栃ノ心 |
小結 | 妙義龍 | |
佐田の海 | 前頭筆頭 | 髙安 |
碧山 | 前頭二枚目 | 勢 |
魁聖 | 前頭三枚目 | 安美錦 |
隠岐の海 | 前頭四枚目 | 豪風 |
旭秀鵬 | 前頭五枚目 | 徳勝龍 |
臥牙丸 | 前頭六枚目 | 玉鷲 |
嘉風 | 前頭七枚目 | 豊ノ島 |
大砂嵐 | 前頭八枚目 | 佐田の富士 |
誉富士 | 前頭九枚目 | 時天空 |
阿夢露 | 前頭十枚目 | 遠藤 |
北太樹 | 前頭十一枚目 | 英乃海 |
旭天鵬 | 前頭十二枚目 | 千代鳳 |
琴勇輝 | 前頭十三枚目 | 鏡桜 |
千代大龍 | 前頭十四枚目 | 青狼 |
豊響 | 前頭十五枚目 | 里山 |
ではでは。
来場所からはジョージア出身力士に
国会で通った法案が大相撲の世界にも影響をもたらすことになろうとは……。
このことで影響を受けることになったのは、二人の関取。栃ノ心と臥牙丸です。先日、国会で「グルジア」という国名を「ジョージア」と改める法案が可決されたことで、土俵に上がる力士の紹介の際の出身地が「ジョージア」とアナウンスされることになったのです。
「グルジア」という呼称はロシア語由来らしいのですが、ロシアとの関係が悪化して以来、各国に国名を「グルジア」から英語由来の「ジョージア」へ変更してほしいと要請していたそうです。
あるニュースによると、この変更に栃ノ心はとても喜んでいるらしいです。来日以来、自分は「ジョージア」出身と言い続けていたそうなので。
ちなみに、現地の言葉では「サカルトヴェロ」というそうです。あれ? グルジアにもジョージアにも似てない……。
平成27年3月場所 優勝は白鵬、照ノ富士が1差の次点
白鵬の優勝で幕を閉じた平成27年春場所でしたが、この場所は中身の濃い場所になったと思います。
まず、何と言っても照ノ富士の活躍でしょう。関脇での新三役とは言え、初日から七連勝、白鵬の優勝を先延ばしにする殊勲の星を上げての13勝2敗という成績は、場所前に誰が予想できたでしょうか。大器と騒がれながらも幕内での二桁白星がありませんでしたが、これで一躍大関取りに名乗りを上げました。来場所の成績次第では、名古屋場所での大関という可能性もあるようです。
一方、後輩ながら先に三役・関脇に昇進した逸ノ城は、今場所1横綱2大関を破り9勝6敗。来場所の返り三役は間違いないでしょう。また、逸ノ城は今場所、格下への取りこぼしが一つだけ(栃ノ心)であり、徐々に安定感が増してきました。
照ノ富士23歳、逸ノ城21歳。この若いモンゴル出身の二人が新しい時代を作っていくのかもしれません。
一方、日本の若手は苦しみました。実力をつけ期待が膨らんでいた遠藤は、膝に大怪我を負い6日目から休場。来場所は出場できても今場所のような内容は難しいでしょう。また、平成生まれ初をいくつも達成してきた髙安も、どこか体調が悪かったのか、3勝12敗と大敗を喫しました。終盤まで好調を維持した千代鳳も、千秋楽の一番で膝を負傷したようです。力士に怪我は付き物ですが、これからの力士人生に悪い影響を残すような怪我でなければいいのですが。心配です。
最後に、春場所の成績を踏まえて、来場所の番付を予想したものを貼っておきます。興味があれば見ていってください。今回は大胆に予想してみました^^
東 | 予想番付 | 西 |
白鵬 | 横綱 | 日馬富士 |
鶴竜 | 横綱 | |
稀勢の里 | 大関 | 琴奨菊 |
大関 | 豪栄道 | |
照ノ富士 | 関脇 | 栃煌山 |
妙義龍 | 関脇 | |
逸ノ城 | 小結 | 宝富士 |
栃ノ心 | 前頭筆頭 | 豊ノ島 |
大砂嵐 | 前頭二枚目 | 佐田の海 |
千代鳳 | 前頭三枚目 | 安美錦 |
徳勝龍 | 前頭四枚目 | 北太樹 |
臥牙丸 | 前頭五枚目 | 玉鷲 |
蒼国来 | 前頭六枚目 | 佐田の富士 |
碧山 | 前頭七枚目 | 豪風 |
髙安 | 前頭八枚目 | 勢 |
誉富士 | 前頭九枚目 | 魁聖 |
富士東 | 前頭十枚目 | 遠藤 |
旭秀鵬 | 前頭十一枚目 | 隠岐の海 |
荒鷲 | 前頭十二枚目 | 豊響 |
旭天鵬 | 前頭十三枚目 | 嘉風 |
常幸龍 | 前頭十四枚目 | 琴勇輝 |
貴ノ岩 | 前頭十五枚目 | 千代丸 |
阿夢露 | 前頭十六枚目 |
ではでは。
平成27年3月場所 14日が終了、今場所の白稀戦
ついに今場所も残すところあと1日。13日目終了時点で優勝争いは、3敗まで数字上は優勝の可能性がありましたが、今日、横綱・白鵬が大関・稀勢の里を破ったため、2敗を守った関脇・照ノ富士との二人に絞られました。優勝記録更新と二度目の6連覇達成か、初土俵から史上最速タイの初優勝か、千秋楽も目が離せません。
さて、14日目結び前の一番は白鵬-稀勢の里でした。私が大相撲を欠かさず見るようになったきっかけとなったのが、この両者の対決でしたので、毎場所楽しみにしていました。しかし、今日の一番は今まで観た中でも特に残念な結果となりました。白鵬が立合いで殆ど踏み込まず、やや右にずれて立ちます。一方の稀勢の里は、低く踏み込みましたが、視線が下を向いていました。標的を失った稀勢の里は、そのまま白鵬に突き落とされて決着。なんとも後味の悪い一番でした。
白鵬の今回のような立合いは今場所既に見せていました。大関・豪栄道戦です。このときは、豪栄道は反応して相撲になりましたが、今回はその時よりもさらに消極的な印象です。豪栄道は去年、3勝3敗だった相手。稀勢の里は連勝記録を何度も止められた相手。白鵬もやはり人間なので、この二人と相対すると色々と考えてしまうのでしょうか。変化と言えるか微妙な立合いでしたが、ただ、綱を締める力士である以上、せめて正面からぶつかって勝負してほしかったです。
一方の稀勢の里も、低い体勢に意識を向け過ぎだったと思います。長年、腰高を指摘され続けているとはいえ、相撲を取れなければ元も子もありません。今回の白鵬は踏み込みが殆どなかったので、動きについていけば土俵際まで押しこむ可能性は十分あったと思います。もちろん、終わったあとにあれこれ言ってもしょうがないですが、楽しみにしていた一番なだけに、この幕切れは歯がゆしい気持ちです。むしろ、今日を含めた今場所の稀勢の里の負け方を見ていると、どこか悪い所があるのかと心配になってきます。
今場所は寂しい結果だったので、白熱の一番を来場所に期待します。